今回は股関節を取り上げてみます。

 大腿骨頚部骨折などの骨折やサッカー選手に多い、いわゆる鼠径部痛(グローインペイン)については機会があれば別に掲載します。

 

 股関節の痛みで真っ先に思い浮かぶ診断名は、変形性股関節症でしょう。軟骨がすり減ってきて徐々に変形していきます。先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全などがあると発症しやすくなります。

 

 変形性股関節症は前股関節症・初期・進行期・末期の4段階に分類され、変形の程度によって症状も変わってきます。股関節周囲から臀部の痛みが多い症状です。臀部の痛みは腰の症状と重なることがあるので判別が必要です。

 進行するにつれて日常生活にも支障が出てきますが、炎症が強いときや関節唇損傷などがある場合は初期段階でも痛みが強いことがあります。

 

 変形の末期で日常生活も制限されていれば手術も検討しなくてはなりません。初期の段階ではリハビリなどの保存療法が適応されます。

 

 変形性股関節症の保存療法を検索すると、重要なことはおよそ次の2つにまとまります。

 

 1 体重の減少

 2 筋力強化(特に臀部)

 

 この2つが大切なのは間違いないことです。しかしこの2つが大切な理由は、検索してもなかなか探せません。

 

 股関節が変形する理由のひとつは、体重が股関節の1点に集中するからです。股関節の大腿骨側(大腿骨頭)は球の形になっていて、骨盤側(臼蓋)はソケットの形になっています。うまく適合していれば体重は分散して股関節に乗ってきます。ソケットの形が浅い場合、ソケットと球の適合が悪いということです。可動域制限があると立ち上がりや歩行時に股関節全範囲を使えなくなります。股関節にかかる体重が分散されず1点に集中してしまいます。

 

 ソケット(臼蓋)と球(大腿骨頭)の適合を表す言葉が「被覆率」です。この被覆率を高めるために必要なのが、股関節の可動域と骨盤との連携、「骨盤リズム」です。股関節を守るためには骨盤がよく動かなくてはなりません。骨盤が動くためには体幹の動きと強化の改善が必要です。

 

 まず体重を減らすこと、股関節の被覆率を高めることは同時進行するべきです。股関節にかかる圧を考えると、被覆率が2倍になれば体重が半分になるのと同じことです。

 

 私は変形性股関節症の保存療法に大切なのは

 1 体重の減少

 2 股関節と骨盤の動き(骨盤リズム)の改善

 3 股関節に負担のかからない動作の獲得、筋力強化(特に体幹と臀部)

と考えます。

 

 1体重を減らすには食事と運動です。股関節が痛いときに運動は難しいですよね。

 2,3について改善を目指しましょう。

 痛みが軽減すればやはり歩くことは大切なことです。それが運動ややりたいことに繋がるといいですね。