今回は肩こりについてです。一般的な肩こりを取り上げ、頚椎症などの疾患や内科疾患からくるものについては今回は除外します。

 今や日常生活で自覚している症状において、女性では第1位、男性でも第2位が肩こりと言われています(厚生労働省「国民生活基礎調査」)。今では生活習慣病とも言えるかもしれません。

 

 英語には肩こりを直接表現する単語はなく、“stiff shoulder”と訳されることが多いようですが、実際ネイティブの方々には通じないかもしれません。“stiff neck”や“stiff upper back”と言ったり、“tension”や“frozen”といった表現も使われます。これは個人的な見解ですが、日本人は肩こりという概念があるから自覚しているのかもしれません。実際に欧米の方々は肩こりで悩んでいる人が少ないと聞いたことがあります。要は一言で肩こりと言っても、原因や症状はそれぞれだということです。

 

 肩こりの4大原因は「同じ姿勢」「運動不足」「眼精疲労」「ストレス」と言われています。

 

 筋が硬くなる原因と予防に大切なのは。一言で言えば「血流」です。血流が滞ると硬くなり、血流をいかに増加させるかが改善に繋がります。

 4~5㎏ほどある頭部を支えている首~肩は常に収縮しています。収縮と弛緩を繰り返すことができない筋は阻血状態になって硬くなります。それぞれの筋には適した長さがあって、短い状態のまま収縮している、伸ばされた状態のまま収縮していることが凝りに繋がります。5㎏の荷物を肘を曲げたまま数時間持ち続けることを想像してください。「腕こり」という言葉があったら使いたくなるでしょう。

 

 これだけでも「同じ姿勢」「運動不足」の説明ができそうです。あとは目のためにパソコンを長時間しないことと、ストレスを溜めないことができれば、理論上肩こりは改善します。

 

 肩こりの解消法を検索するとだいたい同じようなことが書かれています。正しい姿勢を取りましょう、姿勢をこまめに変えましょう、肩こり体操をしましょうなどがヒットしてきます。これらは間違ってはいませんが、肩こりを自覚している人はこれらができないから悩んでいるのだと思います。わかっているけどできない…。1日中デスクワークしている人にこれらを伝えても「同じ姿勢」「運動不足」「眼精疲労」を変えることができるでしょうか。仕事ですから「ストレス」もあるでしょう。

 

 私が推奨したいのは、極論を言えば「肩こりに固執しないこと」です。

 

 凝っていると思うからいけない、凝っていることを受容する…。欧米人も日本人と同じように肩は凝っているでしょうが、肩こりという概念がないから悩んでいないのです。

 少し大げさで乱暴に聞こえるかもしれませんが、凝っていることで何かができない生活よりも、凝っていてもやりたいことをやる生活の方が楽しいのです。それが運動(散歩でもスポーツでも)であればなおさら良いでしょう。

 

 肩こりでお悩みの方が当院にお越しいただいた場合、やはりまずは肩こりという症状を評価します。姿勢や硬さ、弱さを探ります。硬い筋はほぐします。基本的には腹筋を鍛える方法を紹介します。

 その後が大切です。なぜ肩こりで困っているのか、やりたいことを我慢していないか、話をたくさんしてください。休みの日には外出しましょう、自分に投資しましょう、運動しましょう。楽しいこと、気持ちのいいことを提供できるきっかけさえあれば肩こりも解消すると信じています。